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ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで

ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで
有田 秀穂
ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで
定価: ¥ 1,575
販売価格: ¥ 1,575
人気ランキング: 112511位
おすすめ度:
発売日: 2002-02
発売元: 地湧社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送
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たまには実家に帰って両親に顔を見せてやろうかと思う。しかし、田舎というのは超退屈なのだ。本の2~3冊は持ってかないと間が持たない。今回の帰省では「ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで」を旅の友とすることにした。

JR上野駅から宇都宮線に乗る。幸い、上野発の列車なので席は座り放題だ。さっそく「ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで」を取り出し、本の中に没入するが、馬鹿な子供が私の周囲で嬌声をあげている。いや、嬌声などという生やさしいものではない。

ここは動物園か?と言いたくなるほどの野放しぶりだ。親が見ていない隙に「ここ一番に強くなるセロトニン呼吸法―スポーツからスピーチまで」の表紙の角で奴らの眉間を思いっきりヒットしてやった。

How to 本として読むべし
一言で言えば、“あがり症克服”のためのHow to 本でしょう。
著者はしきりに脳内のセロトニン不足だけを問題にするのですが、本書で紹介される克服法が脳内のセロトニンレベルを上げて効果を発揮するという確たる実験事実が存在しません。経験的に効果が知られている健康法をセロトニン神経系のはたらきから説明する、仮説としてはおもしろいと思いますが、まだはっきりしてないことを一般読者向けの本にしないでください。


玄朴さん、一人で書いたら?
高橋玄朴さんの、呼吸法の実践に関するところは、経験
上、効果がわかっていることについて記述しているわけ
だから安心して読めます。
問題は、有田氏が担当するセロトニン神経に関する記述。
この人がやっている脳内セロトニン測定法は専門家の間
では完全に否定されている代物です。脳内で分泌された
セロトニンは、速やかに5-ヒドロキシインドール酢酸と
いう物質に代謝されてしまいますので、血中や尿中でセ
ロトニンの定量を行なっても脳内のことはわかりません。
因みに、このズサンさは、後作の『セロトニン欠乏脳』
(NHK出版)においても、全く改善されることはありま
せん。
セロトニンは確かに、医学の世界でホットな分野ですし、
一般の方の関心も高いようですが、それに便乗する形で
根拠もなしに、”セロトニン呼吸法”などと喧伝される
と抵抗を感じてしまいます。
もちろん、この本に限らず、いいかげんな健康本の類は、
枚挙にいとまがありませんが、本書は東大医学部卒の現
職の医学部教授により執筆されたことが特異であると思
います。誰だって書かれている内容を信じたくなります。
結論としては、実践家の高橋玄朴さんが、一人で実践法
だけ書けば良かったのだと思いますが、ひょっとして実
践家の間には、”たとえウソでもいいから科学的根拠”
と思える裏づけがほしい”といった誤った風潮があるの
でしょうか。大変、残念なことです。

How to 本です
生理学の研究者とヨガの実践家との共著である。実践に関する部分には有用な情報が確かに含まれているが、問題はセロトニン神経系との関連である。科学的根拠としてあげられていることは傍証にもならないことばかり。ヒト脳内のセロトニンの量を測定することが不可能なのは医学部の学生の教科書レベルの話だと思う。ヨガや坐禅のように、長い歴史の中で経験的に効能がわかっているものに、無理やり脳内のまだ機能のはっきりしないセロトニンという物質をこじつけたことによって、かえって実践の信憑性を損ないかねない残念な書である。したがってセロトニンとは無関係にHow to 本として読むのであれば可。

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